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「春なのに…2010」、4日目&千秋楽レポート。 [演劇の話]

 どうも、いらっしゃいまし。

 さてさて。
 「春なのに…2010」も、昨日の4月17日に無事、千秋楽を迎えました。
 全日程の受付を終了した瞬間に気が抜けたのか、かな~り腑抜けになりまして。日曜日は、久々に目覚ましナシでの起床♪
 タイトルでもお解かりのように、やはり、ここらへんでテキトウな性格が露出して、4日目と千秋楽レポートを一緒にしてお送りします(笑)

 4日目、4月16日(金)は、我らがみかん遊演団と、Ricky’s Stone の千秋楽。
 3日目レポートでもお伝えしたように、16日の予約状況は、演劇に携わる方が多く観に来られる予定。懐かしい方々に逢えるのは嬉しいですが、感想も、それなりにシビアなものになりそうです。
 折悪しく、金曜日は花冷えの雨…。
 この足元の悪い中、果たしてお客さまは来てくださるのだろうか? と、不安に思いきや…。
 何と…、満員御礼!!
 予備の椅子を持ち出すほどの大盛況。
 ホント、ありがたく思っております。
 14日の初日は、やはり緊張があったのか、役者がセリフを飛ばした箇所があったり、照明(ワタクシが担当)も、受付から照明に直行しアタフタした手際の悪さが出てしまったのですが、16日は「春なのに…2010」最後の舞台、ノーミスで演りきりたい。

 いったん幕があけば、舞台の上は役者の世界。
 脚本も演出も、何の手助けも出来ない。
 時の過ぎ行くまま、役者を信じて成り行き任せ。
 照明のブースからは、念を送ることしか出来ない…。

 初日と同じく、あまり笑い声もないままの観劇。
 いや~、演劇関係の方々は、どんな表情で観てるのでしょうか…?
 風邪気味のお客さまが多かったのか、遠慮がちな咳に混じって、盛大に鼻をすするお客さままで。あとで聞いたところ、この鼻すすってたお客さまは、実はみかん遊演団とも仲良しのクラウン。愛称はMッシュ。泣いてくれてたんですねぇ…。

「自分がどうしてクラウンになりたいと思ったのか?ってことを考えながら観てたら、泣けてきて…」

 …とは、帰りの車の中で聞いた、彼女のクラウンに対する真摯な気持ち。
 この「花の名前」に登場する、出来損ないのクラウンは、偽りの笑顔で道化を演じ、道行く人に元気を与えるという仕事をしているが、本当の自分は、心の傷を完治出来ずに、ちっとも本当の笑顔になりきれない。そんなとき、傷心の少女さくらに出逢い、元気付けようとしたり、いろんな話をしながら諭したり…。偽りのクラウンの顔から人間として心を開いて語りかけていくうちに、大切な何かに気付かされる…。
 誰かを笑顔にさせたいと思うことは、自分も笑顔になりたいと願うことと同じ。
 心がなければ、何も伝えられない。
 過去のブログにも書いたけれど、「笑顔はうつる」。
 猫たぬき家の家訓?は、「毎日意味なく笑ろとけ!!」という、楽観的なもの(笑)
 「笑う門には福来る」、暗い顔してるよりも、とりあえず笑ってたら、「気」の流れが、良い方向へ流れていくと信じてる。

 私は彼女のクラウン姿を一度しか観たことがないけれど、彼女のクラウンは、彼女にしか表現しえないものを持っている。
 人は、その人にしか持っていない魅力を必ず持っている。
 それが、個性であり、その人を語る本質であり、輝きである。
 自分で自分を偽ったり、心を閉ざしてしまわない限り、魅力は光るものなのである。

 さてさて…。
 ちょっと話が逸れてしまったので、本題に戻そう。
 今回は、レポートなのでね。
 では。
 その他の方々からいただいた感想から覚えてる限りピックアップしていこう。

「暗転多し。感情の動かない間は、間とは言えず(感情的に)入り込めない」
「どう見せたいのか?が、はっきりしない」
「重いテーマを重いまま見せられると…。もう少し違う見せ方があったのでは?」
「もっとシンプルにまとめた方が良かった」
「最初に話のテーマを見せ過ぎたため、途中が長く感じた」
「軸が2つ(主人公とクラウン)あるので、観てて戸惑ってしまうところがあった」

 …やっぱり演劇関係の方は、ツッコミも素晴らしいですね。
 昨日の「ややこしい」の他に、「暗転が多い」っていうのは、演劇に携わる人からすると気になるところみたいですね。他でも言われました。今後の課題にします。
 アドバイス系の感想が多かったので、他のものを挙げてみると…。

「ベタな話だなぁ…と思ったけど、まぁ良かった」
「話の中にグッとくるセリフがあって泣ける」
「2回とも観たけど、微妙に変わってるところがあって楽しめた」

 …と、いったところでしょうか。

 「グッとくるセリフがあって泣ける」…、すごく嬉しい!!(猫たぬきおだてりゃ木に登る~♪)

 私が脚本を書くとき、最も大切にしていることは。
 「まず気持ちがあって、セリフが生まれる」ということ。
 たとえ役者から、気障なセリフだとか、リアルじゃないとか言われても、このセリフは、私の内部から、私の中に存在する登場人物の口から発せられたもの。
 自分が何かに感動して、その感動を誰かに伝えても、おそらく半分くらいしか伝わらない。自分が心底、身体が打ち震えるほどの感動をしない限り、相手に深く伝わらないものなのだ。
 なので、私はモノを書くとき、自分の感情を高ぶらせないと書けない。(直し作業など、切羽詰っているときに関してはこの限りではない)
 私がホンを書くのは決まって真夜中。世人が寝静まった静寂の夜。月明かりの中に身を投じていると、自然と身体の内側から、自らが作り出した登場人物が語り始める。外郭から隔離され、話の中へと深くいざなわれる…。そうやって、最大限に登場人物の気持ちを乗せてセリフを紡いでいるからこそ、すべての人に解るものではないとしても、何かしら伝わるものが書けるのだと思ってる。

「惜しかったです」

 という、シンプル極まりない感想をくださったのはK氏ですので、今後、この「惜しかった」部分を、じっくり聞いてみたいと思います。

 厳しい感想、優しい感想。人の好みは千差万別、賛否両論、いろいろあるけれど。
 役者と観客が同じ空間を共有し、同じ空気を吸って、片や、役の人生を演じ、片や、その人生を見守る。
 伝えたいことは、カタチじゃなく、気持ち。
 どんな伝わり方でもいい、何かを感じてもらえたら…。
 やっぱり、舞台って素晴らしいですね♪(水野晴郎風にどうぞ)

 さてさて。
 みかん遊演団が終われば、お次はRicky’s Stone。
 彼のお芝居は、何度観てもおもしろい!!
 しかし、今回は今までとはちょっと違いました。
 観劇していた小学生のチビっ子たちに、絶妙なタイミングで、「なかなかおもしろいやん!!」的な、するどいツッコミを入れられて、場内は大爆笑!!
 …持っていかれましたなぁ、Rickyさん!!(笑)
 笑いと、ちょっとした切なさに満ちた、Ricky’s Stone の千秋楽なのでした。

 それにしても…。
 舞台が終わったらいつも、観客の前で、役者ひとりひとりの紹介というのがあるのですが、裏方の脚本屋まで紹介しなきゃならないものでしょうか…?
 「拍手」という賞賛は、目の前で演じた役者本人をこそ称えるべきものだと思うのですよ。
 脚本屋は、裏方。ライトを浴びることなく、星明子のように木の陰からこっそり見守っているものなのよ。(例えが古っ!!)
 まぁ、千秋楽の日は、ワタクシは音響方に徹して、舞台にはあがりませんでしたが…。(裏方は、裏方に徹しますさっ)

 さてさて。
 4月17日(土)の昼は、「春なのに…2010」の千秋楽。
 千秋楽のトップバッターは、初日にインパクト大の芝居を見せた、「DAVID」。
 前回は、この千秋楽のためにネタバラシをしませんでしたが、今回は書いても許されるでしょう。
 「白と黒、相容れないふたつが共存する時、奇跡が起きる」というフレーズ通り、ビジュアル系エコバンドの「DAVID」のメンバーのうち、ふたりが…。
 『朝、目覚めたら「パンダ顔」になっていた…』(笑)
 …カフカの「変身」を連想させますが、そういう要素はまったくなく、単純に笑えます。話の展開もおもしろい。
 せっかくの晴れの舞台、インタビューの当日に、パンダ顔…。ビジュアル系バンドとしてありえない、パンダ顔…。そこでメンバーは相談し、この顔は気合の入ったメイク。パンダに見えるのは気のせい。ということで、インタビュアーを騙し通そうと結託するのだ。
 笑わせ、和ませ、最後にはホロリとさせる。とてもいいお芝居でした。
 初日と同じく、この「DAVID」さんの客層は他とは違い、みんなビジュアル系…。
 受付に立っていても、ここはホント芝居小屋の伽藍博物堂かい?…と、疑いたくなるような、きらびやかな皆さま方が、どんどん入ってくる。妖精のように美しいビジュアル系の方は、シャンプーのCMに出てくる美女さながらの美しく長い黒髪の持ち主で(注・男性)、まさにビジュアル系バンドのライヴ会場のような観客席でした(笑)

 そして。
 「春なのに…2010」の最後を飾るのは、もちろん、主宰者T氏の「えむてぃ。」の芝居。
 今回は、水曜日のひとり芝居とは違って、共演のTさんと息子のカイ君を迎えての三人芝居。
 自然とT氏のテンションもあがります(笑)
 小道具の団子を買い忘れるというハプニングもありましたが、何とかどうにか間に合ったようで。
 しかし、この客層でえむてぃ。の芝居は…と、ちょっと思いましたが、ビジュアル系の方々は、しっとりしたお芝居もお好きなご様子。
 優しい雰囲気の中、「春なのに…2010」は、閉幕したのでありました…。


 全日程の受付をして、まだ初日、まだ2日目、まだ3日…と思っていたのに、あっという間に過ぎ去ってしまった一週間。夢まぼろしの春の宵…。
 静岡の桜の木にほとんど花びらはなく、枝はすでにもう葉桜。
 今年の春も過ぎてゆきます。

 「また来年」

 約束するのは容易いこと。
 確かに、あと300日も待てば、また次の春が来る。
 だけど、今年の春は今年だけ。
 一日一日をいとおしく過ごし、出逢いを楽しみ、別れを悲しみ、人生の時間を積み重ねて毎日を過ごしながら、変わりゆく季節の中で、また桜の季節が巡ってくる。
 「春なのに…2011」が、開幕するのか否か。参加出来るのか否か。
 それは、来年咲く桜だけが知っている。
 今の私に出来ることは、桜の木が来年咲く桜のため、養分をその身体の内部に蓄えるように…、今年のお芝居「花の名前」に寄せられた感想やアドバイスを糧にして、もっともっと書く力を高めていくこと。
 もっと伝えたいという想い。
 もっと解りやすく伝えられる技術。
 そうして。
 いつかまた、皆さまに作品をお目にかけられることを願って。

 今年の「春なのに…2010」を観に、伽藍博物堂へ来てくださった方々。
 何度も「春なのに…2010」を観に、足を運んでくださったリピーターの方々。
 このブログを読んで「春なのに…2010」がどんなものであるか知ってくださった方々。
 
 「今」という瞬間、優しい春を満喫していただけたでしょうか?

 「春なのに…2010」に出演されたすべての劇団の役者の方々。
 前説、音響、照明などの裏方を手伝ってくださった方々。
 舞台から見えないところで、いろいろと励まし、支え、助けてくださった方々…。
 
 すべての皆さまに「ありがとう!!」という言葉と共に、今年の春が、あなたの人生において、優しい時間であることを祈っております。
 
 





2010-04-18 20:40  nice!(3)  コメント(5)  トラックバック(0) 
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だい吉

お疲れ様でした^^/

実は時間が出来れば、馳せ参じようかと画策してましたが…
睡眠時間を削られる毎日でした^^;

色々、ご苦労はあるでしょうが、ひとつの物を完成させていく醍醐味はやってる方のみが味わえること。
羨ましいでございます。

なかなかにスタートを切れない自分が歯がゆい今日この頃でございます。

あ、愚痴っちゃった(笑)
by だい吉 (2010-04-24 16:57) 

COLE

満足の笑顔 見えますよ! おめでとう
by COLE (2010-04-25 21:07) 

猫たぬき

こんばんは、だい吉さん!!^^; nice!ありがとうです♪
ええっ!! はるばる大阪から観に来てくれるつもりだったのですかっ!! 嬉しいなぁ。そう思っていただけただけでも♪

何だかだい吉さんも、毎日がお忙しそうですな。(睡眠時間を削るくらいだし)
そりゃ愚痴も出るわさ。うん、うん。いくらでも聞きますわよ。

新しいことをやるって、エネルギーもだけど、状況とか、気持ちの問題とか、テンションだったり、パワーだったり、それにまず健康であること(笑)が、条件だもんね。
お互い、もう若くないですからねぇ…^^;
舞台が終わった今、かな~り腑抜けな状態でGWを迎えておりますよ。世間は海外旅行だ、上海万博だと浮かれ騒いでおりますが、ワタクシは家の窓からボーっと流れゆく雲を眺めてお茶などすすっておりますさ。
枯れてるなぁ…(笑)
そろそろ次のことを考えないといけないのだけどね☆
by 猫たぬき (2010-05-03 02:38) 

猫たぬき

こんばんは、COLEさん!!^^; nice!ありがとうございます!!
満足の笑顔…行間に表れてますか?^^;
コメント嬉しいです。ありがとうございます!!
納得しきれない部分もたくさんありますが、今の私にはこれが自分の実力であり、周りの評価であるってことも踏まえて、精進していきたいと思っています。
実はもう次の公演企画の話もあり、今、その台本の準備段階なのですよ。実現すれば、今年の暮れですかね。やってみたかった試みなので、ぜひ実現させたいです^^;
by 猫たぬき (2010-05-03 02:54) 

猫たぬき

こんばんは、佐々木さん^^; nice!ありがとうございます。
by 猫たぬき (2010-08-19 00:47) 

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