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違和感のある出逢い Ⅶ 水と油の良い?関係。 [私の精神論]

 人は、何のために生まれてくるのでしょうか?

 ……猫たぬきが、何を哲学的なことを?! とお思いでしょうか^^;
 本日6月10日は、猫たぬきの・・・歳の誕生日&ブログ三周年記念日でございます。
 そろそろ誕生日が嬉しいという年齢ではなくなってきましたが、それでも携帯で「おめでとう♪」のメールがあると素直に嬉しい。「生まれてきて良かった」と思うのは、誰かが自分の存在を認めて、喜んでくれることに尽きるのではないでしょうか?

 いや~、2006年から三年。よく続けてこられたものだと自分でも思ってマス。
 しかも最近は、ほとんど更新もせず、書くことといえば舞台の話や演劇の話ばかり。前のように、一本のコラムをじっくり書く余裕がなくなっているにも関わらず、多くの読者さまが過去記事を読んでくださっているようです。気付けばアクセス数も159000を超えていて、最近は、戦国乙女(戦国小説を愛読する女性)なる方々の出現の影響か、ほぼ毎日誰かに「夢幻」が読まれているようでして、信長好きの私としては、嬉しい限りでございます^^; 
 拙い記事、小説、お読みくださっている方々、本当にありがとうございます。
 これからも、更新回数は少ないかもしれませんが、精一杯書いていきたいと思ってますので、どうぞよろしくお願いいたします♪

 一年目の記念日、二年目の記念日、どちらも何故かネタは「生まれてきた意味」がらみ。
 年に一度の誕生日という日は、何故か「誕生」という神秘について考えさせる日なのだな、と感じています。
 さて。
 三年目の今年は、どんなネタでいきましょうか……?

 ひとつ、爆弾発言をしましょうか。
 猫たぬき。今、「好きなひと」がいます!! おおっと!! 一応「人の妻」という立場で、なんて大胆不敵な発言!! と、今まで数々の愛バナネタをお読みの読者さまには、ビックリ発言に思えるでしょうが、本当のことです。
 ……とはいえ。
 「好き」の種類もたくさんあって。
 これがどの種類の「好き」なのか、自分にもよくわかってない「好き」だったりするのですね。

 何故か心に引っかかる「気になる」存在であったこと、三ヶ月余り。
 強く「好き」と意識したのは、「みかん遊演団」で演じた演劇がきっかけであります。
 私の好きなひと、名を「K氏」としておきますが、彼は役者ではありません。
 大学時代、大道芸サークルに所属していて、大道芸人あまる氏とは先輩後輩の関係。今現在は、某企業に勤める社会人。「みかん遊演団」の中では、一目置かれる存在感のあるおひと。
 風貌は、身長180センチ、ビジネススーツの似合う細身の純日本男児的男前。
 ……こう書くと、どこから見ても非の打ち所のない「モテ男」像が出来上がるでしょうか^^;
 私がK氏を「好き」と思ったのは、「まちあいしつ」の稽古中でありました。
 いや、「ドキッ!!」としたと言うべきか。
 これは殿を筆頭に、友達、知り合い、K氏本人含め、あまる氏にも話したことでありますが、「わかる」と言ってくれる人、「ホントですかぁ~?」と疑う人、受け取り方はさまざまなようで。

 私はたいてい、台本を書く前に「ひとり演劇シュミレーション」をしている。
 パソコンと向き合う前、文字にする前に、自分の頭の中で幕が開いてから降りるまで、シュミレーションするのである。
 その姿は、おそらく誰にも見せられない。いや、見せたくない……。
 いきなり、セリフをしゃべり始めることもあるし、突然、身振り手振りをし始めることもある。
 演劇の稽古は野外でも出来るが、台本を考えるのは危険だ。職務質問されるの、必至である。(だって、どう考えても変質者だもん……)

 K氏の役は、嫌味なエリートビジネスマンという設定。
 彼は役者ではないけれど、その役をソツなくこなす技量があった。
 ……それよりも。
 私が「ドキッ!!」としたのは、彼のその演技である。
 私が頭の中でシュミレーションした役そのもの、なのである。
 あるセリフ、何の変哲もない普通のセリフであるが、私が最後まで悩んだセリフ。
 そのセリフを、K氏が口にした瞬間、鳥肌が立ったことを覚えている。
 私が頭の中で、雅治という役の男に言わせたセリフ。
 それを、目の前で同じように、同じ表情、同じタイミングで口にする男がいる……。
 その事実に「ドキッ!!」とした。
 この話。どうも、あまる氏には懐疑的らしく、唯一「ホントですかぁ~?」と言った人である。

 もちろん私も。
 一度くらいは「偶然」ということもある、と思っていた。
 が。
 「まちあいしつ」の公演が終わって、次は大道芸用の二人芝居の寸劇を書いた。
 今回K氏は本業が忙しくて、寸劇のキャスティングから外れていたのだが、たまたま稽古のとき、役のひとりが感情を掴めず困ったとき、練習として相手役をお願いした。
 もちろん、K氏には事前に台本を渡してもいないし、初見で台本片手に演じてもらった。
 なのに……。
 こう書けば、もうお解かりいただけるだろう。
 そう。
 またもや彼は、私が寸劇を書くためにシュミレーションした通りに演じたのである。
 セリフだけじゃない、一番大事な「間」が、まったくと言っていいほど同じなのである。(しかも今回演じてもらったのは女役でした)
 二度目の「ドキッ!!」、である。
 「……え?」と、問いかけるセリフがあるのだが、その間の取り方、目線の使い方、声の質……、私が頭の中で創造した「女」そのものである。思わず背筋がゾクっとした。
 演劇をやっている友達にも、「間は人それぞれだから、なかなか合わない」と聞いた。
 一度ならず二度までも、「偶然」はあるものだろうか?
 彼は、何の気負いもなく、呼吸するように自然に、私の想像の中の役を、寸分違わず演じる。
 私の頭に浮かんだ言葉はただひとつ、「何で?!」である。

 もちろん、この話だけを聞くと、私とK氏の性格が似ているからとか、波長が合うからじゃないのとか、そういう風に想像をされることでしょうが、それがそれが……。
 私とK氏は、まったくと言っていいほど会話がかみ合わない。
 最初会話をしたとき、これが同じ言語を持つ日本人同士の会話か?! と疑ったものである。
 今まで散々「違和感のない出逢い」について書いてきたが、これほど「違和感のあるひと」に逢ったのは初めてだと言えるくらい、合わない。
 私は好きになったら相手をすぐ質問攻めする。そのひとを知りたいと思ったら、どんな些細な情報でも得たいからだ。……しかし、K氏の天邪鬼さ加減は、私の比じゃないということがわかった。
 質問に決してまっすぐ答えない。ひねくれたモノの言い方をする。返事は気まぐれ気分次第……。
 それなのに時折、誠実さと純粋さ、不器用な優しさが見え隠れする。ひとりの男の中に、大好きな性格と大嫌いな性格が同居しているのだ。
 なのに、どうして彼が、唯一彼だけが、私の頭の中で創造した人物を演じられるのかがわからない。こんなに性格が違いすぎるのに。
 世にも稀な天敵同士が出逢ってしまったか?! と思ったこともある。
 もちろん、そう思うのは私だけじゃなく、K氏にとっても私は「とんでもない性格の人間」だそうで。
 K氏曰く、「好きな要素はひとつもなく」「うざくてめんどくさい性格」であり、「思い込みが激しく、頭が固く、許容範囲が狭い人」と、私のことを分析している。(……あながち外れてないけどねぇ)
 だけど敵(?)も同じく、バッサリと切ってしまうには惜しい何かが、多少なりとも私にあるらしい。
 合わないから歯がゆい、しかし、合わないからこそ気になるのである。
 そう。
 私たちふたりは、いわゆる、決して交わることのない「水と油の関係」なのだ。
 しかし、その水の油の関係が、妙に心地良いときがある。
 私が絶対考えないようなことを、事もなげに彼がスラっと口にする違和感。
 今までの私なら、「あ、このひととは合わないや」とバッサリ切り捨てていた。しかし、K氏の言葉に関しては「どういう意味だろう?」と考えたり逆に質問したり、その違和感の中に理解する楽しさを見つけたりする。
 私が思うK氏の最大の魅力は、人生を楽しむことを知っているところだ。
 すべてのことを楽しめる、おもしろがれる。ポーカーフェイスがお得意だけど、その頭の中は、常に高速回転で何か楽しめることを探している。探究心の塊のような男だ。
 その感性が私とは真逆で、おもしろい。
 思いもかけないこと、気付きもしなかったことを教えてくれる。悔しいけれど、それが心地良い。
 私は「好き」「嫌い」で人を分けるが、彼は「好き」「嫌い」で人を分けない。
 彼は徹底して「嫌い」という否定の言葉を使わない。だからこそ、私のことが「好きでない」としても、それ相応の対応をしてくれている。
 果たして、私は彼のことが、どう「好き」なのだろうか? 
 世間一般でよく使われる「人として好き」というには、違和感があり過ぎる。
 私はいつも「好き」「嫌い」「YES」「NO」、白黒ハッキリした人生を送ってきて、良きにしろ悪しきにしろ、ある意味それが自慢だったのに、自分で自分の気持ちがわからないなんて、今までの人生の中で初めてかもしれない。

 ただひとつ、はっきりわかることは、この「好き」は、性別を超えているということだ。
 K氏が女であったとしても、同性愛者であったとしても、「好き」に何のブレも生じないところだ。
 異性であるけど異性じゃない。魂には性別なんかない。
 好きなのは、時折見せる彼の無垢な魂、K氏の「存在そのもの」なのだ。
 私は好きなひとには思う存分甘えたいタイプなので、相手が男だろうが女だろうが、好きだと言葉や態度で伝えるし、ワガママも言うし、ベタベタまとわりつくこともする。本当にさわりたいのは心の中だけど、K氏は現実に存在して手を伸ばせばふれることが出来るのだから、腕を絡めたりもするし、抱きついたりもする。
 それを周りがどんな風に解釈するのかは知ったこっちゃない。
 私は、私の感性だけで生きている。人の目を気にして生きているわけじゃないので。
 以前「違和感のない出逢いⅥ」で逢った犬の訓練士ketaさんは、「ハグ推進派」なので、私の気持ちがわかってもらえるだろう。好きだから、それを伝えるためにハグをする。ただそれだけだから。

 K氏の誕生日に、私はきっと彼に言うだろう。
 「生まれてきてくれてありがとう」、と。
 「今ここに存在してくれて、ありがとう」、と。
 半年前まで、この世に存在しているかどうかすら知らなかった存在のひと。
 出逢いってホントに不思議だなぁ、と思う。
 人との出逢いに偶然はなく、すべて必然だと信じている私は、「今」という瞬間を選んで、出逢うべくして出逢ったのだと思わざるをえない。
 
 あまる氏に「ホントですかぁ~?」と言われたからというわけではないけれど、もう一度、一緒に演劇を作ってみませんか? と、K氏を口説いている。快諾はしてくれたけど、どうにもこうにもK氏の本業が忙しくて、実現するのはまだまだ先になりそうですが。
 三度目はもう「偶然」じゃない。
 彼は私の「最良の表現者」になってもらえるのかもしれない。
 これほどまでに違和感があるのに? いや、違和感があればこそ……、か?

 以前シナリオの師匠に、「人を本当に成長させるのは、違和感のない出逢いではなく、違和感のある出逢いだ」と言われたことを思い出します。
 私は、K氏と出逢ったことで、ひとつ人間として成長したのでしょうか……?

 


2009-06-10 23:54  nice!(2)  コメント(4)  トラックバック(0) 
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kumasu

お誕生日おめでとうございます♪♪
じつは、なんか猫たぬきさん変わったな~なんて感じてたんですよ。ちょっと恋してるアツさ感があるような気がするな~って(笑)
ステキなアラフォーですね☆
by kumasu (2009-06-11 11:07) 

猫たぬき

お久しぶり~クマスさん(^^)ノ nice!ありがとー♪
恋?!(笑)クマスさんにはそう見える?^^;
殿にも友達にも、逢う人ごとに「K氏」の話はしてるけど、そのたびに「それは恋って言わない」って言われるのよ^^; 自分では「恋かも☆」って思っても、周りの反応は冷ややかで、「恋してる色気の欠片も見えない」だってさ。
「好き好き好き~♪」って本人にも言ってんだけどなぁ。全然ホンキに取られてないし。「存在そのものが好き」って言うのは、すでに恋の対象ではないのか? 恋って難しいなぁ……(--)
アラフォー……そうだね。クマスさんはまだアラサーって言える年なのね^^; うらやまぴー☆(←のりぴー語を使えるところがアラフォー?)
by 猫たぬき (2009-06-11 17:54) 

あすなろう

自分の想像上の人物を即座に演じきれる人物が
目の前にいるとしたら感激するでしょうね!
ゾクッとするという表現が分かるような気がします。
by あすなろう (2009-06-15 20:33) 

猫たぬき

こんばんは、あすなろうさん(^^)ノ nice!ありがとうございます♪
そうなんです。何故彼だけにそれが出来るのか……?というのは、未だ謎なのですが、確かにゾクッとしました^^;
彼に信長が演じられるか?! フィリップ・マーロウはどうだ?! と妄想はますます広がりまして、ひとつの野望を思いつきました。一度他の演劇を一緒に作ってみようと。
さて、彼の実力や如何に?! 
楽しみです^^;
by 猫たぬき (2009-06-19 00:05) 

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